空気の匂い

試合の日の朝の匂い、これは確実に存在する。と思う。

 

それは緊張や高揚や色々な気分が混ざり合ってできているものであって、

単純な臭いではないのだと思う。

 

三浦しをんの『風が強く吹いている』で、小出恵介が箱根2日目の朝に、翔に伝える言葉。

「最高の朝だよな」

あの言葉には確実にそのニュアンスが含まれているんだと思う。

 

世の中には、匂いだったり、景色だったり、国語の世界でしか表現し得ない情景のようなものがある。

 

だから小説の世界は面白くて、そして現実とは違うのだ。

言語化できないものを言語化しているから。

 

インカレ閉幕。

自分にとっては無関係な世界ではあったけど、それでも試合が終わった後のあの感じは確かにそこにあった。

 

きっとこれからもそれがあるんだろうと思う。

 

そしてそれを過去の記憶としてだけではなく、実体験としてこの先の人生でも体感したい。

体感し続ける人生を送っていきたい。

 

バスケの試合の朝だけでなく、仕事なのか、私生活なのか、そういう日をこれからも生み出していきたい。